昭和レトロの聖地。神保町「さぼうる」で味わう絶品ピザトーストと、心解けるおもてなし

地下鉄メトロ「神保町」駅、A7出口。地上へ這い出るとすぐ、そこには時代を置き忘れたかのような細い路地がある。 軒を連ねるのは、神保町の顔とも言える名店「さぼうる」と、その姉妹店「さぼうる2」だ。

平日は仕事に追われる身にとって、ここを訪れることができるのは今のところ週末だけ。ある土曜日、小雨が降るあいにくの天気だったが、路地にはすでに傘の花が咲き、長い行列ができていた。

この日の目当ては、「さぼうる2」の名物ナポリタン。しかし、ちょうど昼時ということもあってか、その列は想像以上に長く伸びている。 「待つのは少し苦手で…」 そう苦笑いしながら、私は予定を変更して、少しだけ列の短かった「さぼうる」の扉を叩くことにした。

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一歩足を踏み入れれば、そこは別世界。 使い込まれた木の温もりに包まれたインテリア、琥珀色のライトが照らす山小屋のような空間。満席の店内には、静かにページをめくる読書客の姿がいくつもあった。この独特の「狭さ」が、かえって繭(まゆ)の中にいるような安心感を与えてくれる。

注文したのは、ピザトーストとブレンドコーヒー。 空腹を抱えた体に、厚切りパンにたっぷりと乗ったチーズの塩気が染み渡る。そして、香り高いコーヒーを一口。

何より心が動かされたのは、スタッフの方々の立ち居振る舞いだ。 例えば、テーブルに置かれた砂糖や塩の向き。客が座った位置から、最も手に取りやすい角度でそっと整えられている。そのさりげない「おもてなしの心」に触れた瞬間、行列の疲れはどこかへ消え、「ああ、やっぱりここは良い店だ」と確信した。

次はなんとか平日に休みを調整して、リベンジを果たしたい。 「さぼうる2」で山盛りのナポリタンを頬張ったあと、お隣の「さぼうる」へとハシゴして、コーヒーを飲みながら心ゆくまでまったりする。 そんな贅沢な休日を、今から夢想している。

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